北京五輪:柔道
北京五輪 柔道 平岡と内柴も五輪代表に
柔道の北京五輪出場枠をかけたアジア選手権最終日は27日、韓国の済州島で男女各4階級を行い、五輪代表候補で男子60キロ級の平岡拓晃(了徳寺学園職)が優勝、同66キロ級の内柴正人(旭化成)が5位となり、いずれも規定により出場枠を獲得した。
2人は五輪代表に決まり、これで日本は北京五輪で男女計14階級すべてに出場する。
北京五輪女子52キロ級代表の中村美里(三井住友海上)は1回戦で敗れ、左ひじを痛めて敗者復活戦を棄権した。
最後に残った男子100キロ超級の五輪代表は、29日の全日本選手権後に決まる。
北京五輪惨敗も? 柔道日本
北京オリンピックまで5ヵ月あまり。本番が近づいているというのに、日本柔道界には暗雲が垂れこめている。
1月から2月にかけてヨーロッパでは毎週のように国際柔道大会が行われる。オリンピック代表選考の材料になる重要な大会だが、出場した日本選手の成績が総じて低調なのだ。
トップクラスの選手が国際大会でことごとく敗戦、中でも最も権威のある大会に位置づけられ、トップクラスの選手が派遣されるフランス国際が象徴的だ。
男女7階級ずつ14階級のトーナメント戦が行われたが、日本選手で優勝したのは男子60キロ級の平岡拓晃だけ。アテネオリンピック金メダリストの内柴正人は2位、上野雅恵は3位、銀メダリストの泉浩は2回戦で敗退した。
シドニーオリンピック100キロ級の金メダリストでJOC選手強化キャンペーンのシンボルアスリート、つまり日本柔道界の顔といえる井上康生も準決勝で敗れて5位。3度目のオリンピック出場はほぼ絶望的になってしまった。
期待が大きい選手ほど、それを裏切った時は批判にさらされるものだが、井上の場合は気の毒だった。低迷の代表格として扱われ、大会直前に発表したタレント・東原亜希との結婚と結びつけて責める声まであった。井上にとって結婚発表は、気持ちに区切りをつけて競技に集中する決意表明だったに違いない。その思いをくみ取らずにする短絡的な批判は選手に失礼だ。
選手の実力だけじゃない。
日本柔道界の構造的問題?
ともあれオリンピックが直前に迫り、代表選考が大詰めを迎えているというのに、柔道界には明るい話題がほとんどない。北京オリンピックでは惨敗もあり得る雰囲気だ。この事態を招いた全ての責任を、結果が出せない選手に求めるのは酷だろう。彼らを育て世界に送り出す日本の柔道界に、そもそもの問題があるように思えてならない。
4年前のアテネオリンピックで日本柔道は男女14階級で8個の金メダル、2個の銀メダルを獲得した。「お家芸復活」と喝采され、多くの人が4年後もその強さは続くと思った。
しかし昨年9月、ブラジルで行われた世界柔道で厳しい現実を知らされることになる。女子は金2、銀2、銅3と8階級中7階級でメダルを獲ったものの、男子は金1、銅1のメダル1個しか取れなかった。惨敗したのである。
この時、話題になったのが、100キロ超級・井上康生と100キロ級・鈴木桂治の敗戦だ。井上は小内刈りを仕かけたが返された。この返し技がポイントになり判定負け。鈴木の場合は仕かけた大外刈りが完全に決まったように見えた。が、勢いで鈴木の背中が畳についたことが相手の返し技と判断され1本負けした。ふたりは茫然自失。日本では「誤審だ!」と怒る人が続出した。日本代表の斉藤仁監督は「こんなの柔道じゃない!」と叫んだ。しかし、判定は正当とされた。
北京「金」に自信「可能性は99%」 女子柔道
96年アトランタ五輪柔道女子48キロ級決勝で谷(当時田村)亮子を破って優勝、世界を驚かせた北朝鮮のケー・スンヒ(28)が、57キロ級での出場が見込まれる北京五輪でアトランタ以来となる金メダルに向け自信満々だ。中国国営新華社通信は平壌発で「金メダルを取る可能性は99%。残り1%は精神状態で決まる」とのコメントを伝えた。
五輪はアトランタで金の後、シドニーで52キロ級銅、アテネで57キロ級銀。世界選手権では01年に52キロ級を制し、03年から57キロ級で3連覇した。「過去2度の五輪で金を逃したのはとても残念。でも何が足りなかったのか分かるし、ここ数年ずっと欠点の克服のため努力してきた」
06年2月に別の体育団の柔道監督と結婚した。合宿生活を送るケーに、夫はよく電話をしたり、練習場を訪れて励ましたりと理解を示しているという。「子どもを産んだら、男でも女でも柔道をさせたい」と話す。
07年世界選手権の優勝後は「結婚後に獲得した金メダルは、独身時と意義が全然違う」と振り返った。
まったくの無名だったアトランタと違い、金メダル本命として臨む北京で競技生活の集大成を目指す。
北京は金メダル獲る、康生誓う!

柔道のブラジル世界選手権男子100キロ超級で5位に終わり、進退問題も浮上した井上康生(29)=綜合警備保障=が29日、自身の口で北京五輪での金メダルを誓った。今週からけいこを再開していた康生はこの日、神奈川・横須賀アリーナで柔道教室に参加。時折笑顔も見せ、同市内の約400人の中高生を約2時間、熱心に指導した。
最後にマイクを持つと「世界選手権で優勝してこの柔道教室に参加したかったけど、残念ながらできませんでした。でも、自分の中で一番の大きな目標は北京五輪での優勝。私も頑張るので、みんなも目標を立てて頑張ってください」と力強く復活宣言。子供たちから大きな拍手をもらった。100キロ超級は4月の全日本選手権で敗れた石井慧(国士舘大)が新たに参入するなど、今後も激戦は必至。気力を振り絞って代表切符をつかむ。
北京五輪に向け危機感=全柔連
全日本柔道連盟の吉村和郎強化委員長ら幹部が19日、成田空港で記者会見し、リオデジャネイロで開催された世界選手権を改めて総括した。
女子は8階級中7階級でメダルを獲得し過去最高の成績を収めたものの、男子は金メダルが五輪種目にない無差別級のみで有力選手が相次いで敗れた。
吉村強化委員長は「厳しい戦いだった」と危機感を示し、「今後、徹底的に追い込んだ練習をして来年(の北京五輪)は柔道旋風を巻き起こしたい」と話した。斉藤仁男子監督は「北京五輪まで1年を切っている。一丸となって今回の結果を挽回(ばんかい)したい」と誓った。