北京五輪:ニュース
北京五輪 中国当局は「愛国デモ」に苦慮
北京五輪聖火リレーの妨害があったフランスに対する抗議デモが19日に中国各地に拡大し、中国当局はチベット独立反対を掲げる「愛国デモ」への対応に苦慮している。デモの背景には、食料品高騰への庶民の怒りや仏大手スーパー「カルフール」の店舗拡大に対する地元小売業界の不満などがあり、当局はデモの矛先が政府に向かわないよう警戒を強めていくとみられる。
「君たちの愛国心は十分に理解した。学校に戻りなさい」--。最大規模のデモが行われた湖北省武漢。カルフール前でデモ隊や市民らが2000人規模に膨れ上がるなか、警察はデモの中心になった学生らをこう諭して解散を命じた。デモ参加者への刺激を避ける対応によって、収拾不可能になる事態は避けられた。
05年の反日デモでは日系のスーパーやレストランが標的になり、店内が壊されたり、邦人が負傷する事件も起きている。人口の多い中国では短時間にデモが数万人規模に拡大することがあり、一部が過激化して店舗打ち壊しなど犯罪行為を誘発するケースが後を断たない。
中国では今年に入り、食料品の価格上昇率が前年比120%を超えるインフレ状態にある。値上げに対する消費者の不満はスーパーだけでなく、物価政策を担う中央政府に向かう可能性がある。
また、カルフールは中国国内で急速な店舗拡大を続けており、これまでに大型店舗112店を展開している。地域によっては、客を奪われた地場小売り業界が大規模スーパーの出店を許可した地方政府への不満を高まらせている。
今回の反仏デモや不買運動がインターネット上で過熱している点も事態を複雑にしている。武漢のデモでも、携帯電話のメールで不特定多数に参加が呼びかけられており、警備当局が規模を事前に予想することが難しかったとみられている。