北京五輪:北京市民
北京五輪で住民の強制立ち退き増加
米国務省は11日、世界各国の人権状況をまとめた2007年の年次人権報告書を公表した。
「世界で最も組織的な人権侵害国」として、北朝鮮やミャンマーなど10か国を指定したが、昨年まで入っていた中国は外れた。今夏開催される北京五輪にブッシュ米大統領も出席予定のため、一定の配慮をしたとの見方も出ている。
報告書は中国について、外国メディアに対する規制や労働現場での安全対策などで改善がみられたとしたが、活動家の主張を引用する形で、北京五輪による開発で住民の強制立ち退きが増加したと指摘。「人権の実態はひどいままだ」として、一層の改善が必要と強調した。
さらに、「インターネットの検閲が増加し、国内メディアへの制約も厳しくなった」と批判。07年末時点で80人の記者やインターネット利用者が投獄されている、とする民間団体の調査結果も引用した。
また、チベットや新疆ウイグル自治区で宗教活動に対する規制が厳しくなったことにも言及している。
北朝鮮については、「圧政政権」「孤立国家」と指摘した上で、「国民生活のほぼあらゆる面を管理している」と批判した。
5日付の米紙ワシントン・ポストによると、北朝鮮の記述をめぐり、核協議への影響を懸念する東アジア担当部局から、「圧政」「孤立」の表現を削除する要請があったとされるが、結果的には前年とほぼ同じ内容になった。