北京五輪:トラブル
北京五輪組織委 ギョーザ問題
8月の北京五輪期間中、約1万6000人の選手、コーチらの生活の拠点となる選手村の大食堂のメニューにも名を連ねる予定の「ギョーザ」。日本で発生した中国製ギョーザ中毒事件は、五輪関係者の間に広がる食の安全に対する不安を増幅しかねない。
北京五輪組織委員会は昨年8月、ICチップやGPS(全地球測位システム)を使用した安全管理システムを公表した。その後も、世界中に広がる懸念を払拭(ふっしょく)しようと躍起になってきた。事件が発覚した1月30日、中国国家品質監督検査検疫総局が即座に調査を始めた背景にも、「五輪」の2文字がちらつく。
選手村など五輪関連施設の食堂は、米国のアラマーク社が中国の業者と共同で運営にあたる。同社は1968年から五輪とかかわり、前回2004年アテネ五輪でも食堂の運営を担当した老舗である。
ロイター通信によると、同社は食材の納入元として海外の業者も予定していたが、組織委から、中国国内の業者を優先するよう圧力を受け、選定作業のやり直しを迫られているという。
今回の中毒事件で、中国国内のずさんな農薬管理が改めてクローズアップされた。“メンツ”のために国内業者を推してきた組織委は、「食の安全を守る」という別の“メンツ”との板挟みを強いられることになる。