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北京五輪:野球

北京五輪や!球児、元祖・杉下氏と再会

 球児、“神様フォーク”でバージョンアップ-。阪神・藤川球児投手(27)が21日、高速フォーク習得を明かした。“フォークの神様”、杉下茂氏(82)=現解説者=から直接伝授された新たな武器で、08年のV奪回、星野ジャパン悲願の金メダルをつかむ。

 これぞ“神のお告げ”。新たな武器を球児が身につける。08年、V奪回へ、金メダルへ、さらにバージョンアップを決意した。

 「前に話したことを(杉下氏が)覚えていてくれてうれしい。やってみます」

 藤川が目を輝かせて、前日(20日)の再会を振り返った。クライマックスシリーズの巨人-中日戦のゲスト解説で招かれた東京ドームの通路。そこに偶然通りかかったのが杉下氏だ。“フォークの神様”として知られ、星野監督時代の02、03年キャンプに臨時コーチとしても招かれた。「ご無沙汰しています」「おおっ」。当時まだ“覚醒”していなかった藤川にとっては「覚えていただいてくれただけでうれしい」再会だったが…立ち止まった82歳の御大は、指でVの字を作ると身振り手振りでアドバイスを開始。それが高速フォーク、スプリットだった。

 時間にしてわずか2、3分ほどの立ち話が、虎の守護神にとって貴重な“神様”の教室となった。V奪回を期す来季。ステップアップのヒントを、得た。

 「スプリットですね。前から言われていたんです。腕の振りで(直球と)ゴマかせるでしょ」

 剛球と共に今季磨きをかけたフォークを、球児がさらに進化させる。リリースの際に手首を固定し、抜くようにして投げるのが通常。杉下氏から、それに直球のように思い切りスナップを効かせて投げるバージョンを伝授された。

 「それを内角高めに投げ込む。それで何人も捕手を壊したなあ」と同氏。小さく鋭く落ちる高速フォーク。うまく落ちずとも、そのまま速球となって内に切れ込む。受ける捕手にとってはまさに“殺人球”だ。

 「直球を投げるイメージ? そうですね。中田(中日、20日巨人戦に先発)も投げてたでしょ」

 神様フォークの習得。球児の進化は、虎のV奪回はもとより、守護神として期待する星野ジャパンにとっても大きな意味を持つ。来夏の北京五輪を目指す日本代表の星野監督も常々、藤川について「あの真っ直ぐだけでは外国人相手に打たれる。(さらに磨きをかけた)フォークがあれば言うことないけどな」と指摘していた。金メダルへの秘密兵器ができた。

 どこまで無敵になるのか。炎のストッパーが、“神様フォーク”で世界へ向けて大きく飛躍する。


■杉下 茂(すぎした・しげる)
 1925年(大正14年)9月17日、東京市神田区(現東京都千代田区)生まれ、82歳。帝京商業学校を卒業後に入隊。終戦後、いすゞ自動車、明大を経て49年に中日へ入団。投手として明大時代に帝京商業学校の監督だった天知俊一から教わったフォークボールを武器に6年連続20勝するなど大活躍。「フォークボールの神様」と言われた。その後、大毎に移籍。引退後、阪神、中日、巨人、西武のコーチ、監督を歴任。85年に野球殿堂入りを果たした。現野球解説者。

■フォークボール
 投手が投げた球が打者の近くで落下する変化球。主な投げ方として、人差し指と中指の間にボールを挟み、球を離す際は手首を動かさないのが一般的で、指の間からボールを抜く。手首を動かせば、その分、スピードは増すが球は抜け切らず、変化は小さくなる。フォークよりも握りの浅いスプリットもこれに近い。

■球児の球種
 05年にセットアッパーとして当時日本記録だったシーズン80試合に投げた球児は、ほぼストレート一本ヤリで時折、カーブをみせた。シーズン途中から守護神を務め、17セーブを記録した06年はこれにフォークも織り交ぜるようになった。守護神に完全定着し、セーブの日本新記録(46S)をマークした今季は6月からチェンジアップもテストし始めた。