北京五輪:出場枠
太田・九国大3年 北京五輪出場へ大きく前進
17日にタイ・チェンマイで開幕した重量挙げの男子世界選手権最終日(26日)に、九州国際大3年の太田和臣が105キロ超級で出場する。太田の成績次第で来年の北京五輪の国別出場枠3以上が決まり、太田自身も北京五輪出場へ大きく前進する大一番だ。今回の日本選手団では最年少の21歳が、大学での競技生活2年余りでスナッチ、ジャーク合わせて約70キロ以上の自己記録を更新した成長力で北京五輪への切符を手繰り寄せる。
残り1年を切った北京五輪の出場枠争いで新星が大役を任された。今年5月の全日本選手権105キロ超級で優勝。世界選手権の切符を初めて手にした。「(2012年)ロンドン五輪入賞に向けて北京で五輪を経験したい。そのためにも世界選手権で強豪選手を見ておきたい」。世界デビューへ胸を躍らせ、チェンマイ入りした。
大学入学当時120キロだった体重は、肩回りや下半身の筋力アップで145キロまで増加。それに伴い、トータル310キロだった自己記録が、2年余りで381キロ(スナッチ174キロ、ジャーク207キロ)まで伸びた。「同じペースでいけば来年にも(日本記録の)400キロを超える」。九国大の福田登美男監督は驚異的な成長力に声を弾ませる。
急成長を支えているのが丈夫な体だ。大きな故障は昨秋の国体前と今夏に腰を痛めたのみ。通常の選手がけが予防に着用する手首のバンテージやひざのサポーターは一切つけていない。「中学時代に柔道をしていたおかげで体は柔らかく、力が関節から周りの筋肉に逃げてくれる」。太田は自らの体の秘密を明かした。
ルーツも成長を保証する。軍人だった祖父はイギリス人で、曾祖母はポーランド人。太田もその血を受け継いでいる。「病院で調べてもらったら、骨格が日本人と違い、肩回りに筋肉がつきやすいそうです」。スナッチ、ジャークとも技術はまだまだだが、盛り上がる肩の筋肉をフルに使い、強引にバーベルを引き上げるスタイルは欧米の強豪選手に近いという。
太田が出場する105キロ超級は全階級の最後。太田が試技を成功させて国別対抗戦の順位を得られる25位以上になれば、日本の出場枠が増える可能性もある。「3枠あれば将来性を考えて太田が選ばれる可能性が高まる。何とか日本チームに貢献してほしい」。福田監督は教え子の双肩に期待をこめた。